仕事中のケガや病気による休業について、正しい補償を受けられていますか?
業務に関連した負傷や疾病に対しては、労働者を守るための「労災保険制度」があります。
今回は「労災の休業補償」について解説します。
労災の休業補償とは?
労災保険とは、業務上のケガや病気、通勤途中の事故によって働けなくなった場合に、労働者やその家族を支援するための公的な制度です。
これは「労働者災害補償保険法(労災保険法)」に基づいています。
休業補償は、業務に関連して発生したケガや病気により仕事を休まざるを得ない状況で、賃金を受け取れない場合に支給されます。具体的には、次の条件をすべて満たす場合に給付が行われます。
・業務上または通勤途中での負傷や疾病であること
・その傷病のために労働することができないこと
・4日以上の休業が発生していること
・休業中に賃金を受けていないこと
労災による傷病の療養のため労働することができず、賃金が受けられないとき、その第4日目から「休業補償給付」と、社会復帰を支援するための「休業特別支給金」が以下の金額で支給されます。
休業補償給付
休業1日につき給付基礎日額の60%相当額
特別支給金
休業1日につき給付基礎日額の20%相当額
上記の両方が支給されることにより、実質的には平均賃金の80%が補償される仕組みです。
具体例で理解する休業補償
休業補償としては、事故発生の直前3か月の給与合計が839,700円、総日数(歴日数)92日、休業30日の場合、
839,700円÷92日=9,127.17円、端数切り上げのため、給付基礎日額は9,128円となります。
この給付基礎日額を基準とした場合、
休業補償給付:9,128円×60%=5,476.8円
休業特別支援金:9,128円×20%=1,825.6円
一日当たりの休業補償給付の金額の1円未満の端数は切り捨てのため、休業補償給付と休業補償特別支援金は以下のとおりとなります。
休業補償給付:5,476円
休業特別支援金:1,825円
したがって、休業補償給付は5,476円+1,825円=7,301円となります。
ただし、休業補償給付は4日目から支給のため、30日休業の場合は27日分しか支給されないため、
実際に支給される休業補償給付の給付額は7,301円×27日=197,127円となります。
休業補償を受けるための手続き
労災の休業補償を受けるためには、以下の手続きが必要です。
・労災の認定申請:休業補償を受けるためには、まず労災として認定される必要があります。
・書類の準備:「休業補償給付支給請求書」を作成し、医師の診断書を添付します。
・提出先:事業所を管轄する労働基準監督署に提出します。
認定手続きには時間がかかる場合があるため、迅速な対応が重要です。もし手続きが遅れると、給付金の支給も遅れるため、早めに行動することをおすすめします。
労災保険を利用するメリット
労災保険を利用することで、休業中の生活を支えるための経済的な安心を得られます。
以下のような具体的なメリットがあります。
・休業中の収入補填:賃金の約80%が支給されるため、生活への影響を軽減できます。
・医療費の自己負担なし:労災認定を受けた治療費は全額補償されます。
・社会保険料の免除:休業中は健康保険料や年金保険料の支払いが免除される場合があります。
特に長期間の休業が必要な場合、これらの補償は生活の安定に大きく寄与します。
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労災の休業補償は、正しい手続きを行えば確実に受け取ることができます。
しかし、申請には複雑な書類作成や専門的な知識が必要であり、不備があると給付が遅れることもあります。
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